イ㌔

そんなことより、ちょっと聞いてくださいよ、今ね、チョコボール食おうとして、封を開けたんですよ。チョコボールつっても向井じゃないよ、キョロちゃんのやつね。そしたら銀のエンゼルですよ。何年ぶりだよ俺。エンゼルこっち向いて微笑んでるよ。おまけに手まで振ってるよ。これはアレだね。そろそろこっちゃ来いって、誘ってんだね。昇天召されよってか。正直に言うと俺、今まで死んだらそれまでと思ってたんですよ、死体は焼かれて煙になるか、土に埋められ土に還るか、野犬にでも食われるか、そういう感じの無常観でさ。でもね、これは思し召しだね。このエンゼルが言ってるよ「そんなこと ないよ」って。やったね。呼んでるよ、呼んでるよ、皆が僕を呼んでるよ、「はやく おいでよ」って。

「しんでも こわくないよ ひとり じゃないし いたくも ないから」

行ってもいい?正直疲れた、とか言って、先に逝っちゃってもいい?って聞いたら「駄目。」だって。まだまだ先は長そうです。